「住み方」を考える No1

はじめに

住み方を考えるには、年齢・仕事・収入・趣味・ステータス・将来などを踏まえて、先ずは「8通り」に分ける必要があります。
そのため、賃貸と売買のどちらが良いか? そのメリット・デメリットは? などと、2者択一で答えを出そうと思っても、迷うばかりです。
人ぞれぞれに合った「住み方」とは、その人の考えに「最適と思われる住み方」を見つけていくことです。
この連載をお読みになった方々にとって、
「最適な住み方」は? 自分なりの答えを見つけていただけると幸いです。

一つ目の2択

賃貸なのか? 売買なのか? この二つをどの様に考えると、最適に近づくのか?

この問題を考える時は、お仕事の仕方や年齢によって、メリット・デメリットが変わります。
又、ステータス(自己所有による優越感や価格面による優劣の判断)でも、どちらが最適なのかは、変わります。

お勤めなのか? 個人事業主なのか? お勤めで副業有りなのか? そして、現在は何歳?
賃貸の場合、「家賃がもったいない」という表現がなされることが多いですが、それは、「家賃 = 居住費用」になっている方に限ります。
要するに、「住むためだけに、居住空間を借りて、大家さんに家賃を支払っているから、何も手元に残らない。」という事です。
その様に感じる方(その様な賃貸の場合)は、「どうせ家賃を払うなら、自分の物になる方が良い。」と考えて、売買を考えるようになります。

逆に、年齢が若い人や勤続年数も短い人は、「住宅ローンが組めないので賃貸に住んでいる」という方もいらっしゃいます。

その他には、「家賃が勿体ないから購入したいけど、転勤があるしなぁ~」と、足踏みしてしまう方も。


しかし、個人事業主の方で、ご自宅を事務所としている場合は、賃料の一部を「経費」として計上し、総収入から差し引いて税金を納めている方もいますので、その人からしたら、売買よりも賃貸の方が良いように感じますね。

又、転勤の時に会社が賃料補助(全額・一部)をしてくれる場合は、「会社の補助がでるから、割安でローンを払っている」と考える方もいらっしゃいます。

この様に、人それぞれの仕事の仕方や収入のあり方によって、賃貸の方が良いのか? 売買なのか?
その考えの発端が違ってきます。

最適な住み方は、視点によって変わるため、一概に「賃貸 or 売買」のどちらか? とは言えません。

大切なのは、どの様に組み合わせるのか? なのです。

一昔前までは、「一国一城の主」という考え方が残っていましたので、「居を構える = 大人の仲間入り」などと表現されることもありました。
又、同級生が家を買った、などの噂を聞いたときに、なんとなく大人としての差を感じる事もありました。
しかし、多様性のある現代においては、この考え方をする人は、徐々にではありますが確実に少なくなっています。

一国一城の主になりたい方は、本質的に「売買」を選択し、そのステータスにこだわりの無い方は、売買の場合は、「別の価値(+α)」を求める傾向があります。
賃貸の方は、「将来は〇〇に移住したいし」・「将来は実家に帰るし」など、今はここに住んでいるが、そのうち別の所に移り住むつもりだから、賃貸で十分だし、移り住むときに売れなかったら困るし(そっちの方がストレス)。という見解になる方が多いです。

賃貸なのか? 売買なのか? この二つを選択する時は、組み合わせをどの視点で考えるか?
そうすることによって、人それぞれの最適な答えを見つける事ができます。

次の、10個の質問を考えてみてください。
最適な住み方を考えるにあたって、何かしらのきっかけになると思います。

1.お勤め(会社員)の方が自分に向いており、今後もそのつもりですか?

YES or NO

2.一国一城の主という考え方は、なんとなくでも理解できますか?

YES or NO

3.単純に、「家賃は勿体ない」と思う時がありますか?

YES or NO

4.親が持ち家ですか?

YES or NO

5.ご実家は、県外(今住んでいるところから遠い)ですか?

YES or NO

6.将来は、実家に戻りたいですか?(予定はありますか?)
  *現在実家の方はYESを選択してください。

YES or NO

7.同級生や兄弟が、家を購入したことを聞いて、羨ましく感じたり、なんとなく取り残された感じはありますか?

YES or NO

8.家にいる時間の方が、外出している時よりも好きですか?

YES or NO

9.マンションよりも、戸建ての方が好きですか?

YES or NO

10.どちらかというと、安定志向ですか?

YES or NO

さて、上記10個の質問で、YESの割合がNOより大きい場合(YESの数 > NOの数)は、「売買」を起点として住み方を考えると、最適な住み方に近づきます。
逆の方は、「賃貸」から考えてください。

「売買」には、価値の考え方が2通りあります。

一つは、物件価格(ローン返済額) = 居住の価値。

もう一つは、「所有者という価値」

「売買」を選択する方の多くは、「所有者である価値」を感じる方が多い印象です。
そのため、自分が居住しなくなった時には、「貸す」という選択肢を取る傾向があります。

反対に、「金銭的価値」の方は、「売る」という選択肢を考慮する傾向があります。

<YESの数が多い方へ>

「売買」を考える時は、「ずっと住み続けるのか?」を考えて、将来的に、もし引っ越したとしたら、「貸すのか? 売るのか?」と考えると、最適な答えが見つけやすくなります。

<NOの数が多い方へ>

「賃貸」を考える時は、「収入に対して賃料の割合が高いと感じるか?」を考えて、将来的に、もし引っ越すとしたら、「今よりも良い部屋に引っ越すか? 同等程度の物件で十分か?」と考えると、最適な答えが見つけやすくなります。

<売買or賃貸で、最適な答えの見つけ方>

1、「所有者である価値感」の強さ = 「所有する期間」の長さ

 ・この「所有者である価値観」の強い方は、「金銭的価値+αの価値」がありますので、不動産を購入して「所有する期間」を長くしてください。又、年齢が若い時から購入を進めて、2戸目・3戸目と増やしていく事をお勧めします。

2、「家賃」 = 「居住費用」 *家賃を勿体ないと思わない方

 ・この様な方は、毎月の固定費の変動を嫌う方多く、同じ住所に居住する期間が長い傾向があります。居住も生活の一部として捉えて、それ以外の価値観が多様な方が多いように感じます。
「賃貸」が良いと思いますので、生活費とのバランスを考える事と、副業や個人事業主などで賃料を経費として計上できる環境を作る事をお勧めします。

3、「家賃が勿体ない」・「転勤があるから購入に踏み出せない」

 ・この様な方は、可能な限り早く、購入する事をお勧めします。特に、転勤の時に賃料補助がある方は。
可能な限り早くという理由ですが、住宅ローンの借り入れによる購入の場合は、「完済時期」と「ある時期の残債」を考慮する必要があるからです。

 住宅ローンを借り入れした場合、殆どの方が35年間の借り入れをします。(今は、40年も可能です。)住宅ローンで最も重要なことは、返済が完了する時の「年齢」です。
 住宅ローンで購入する場合は、ローンの残債(残高)が、物件の転売価格を下回った時(残債 < 転売価格)に初めて物件の価値が出てきます。(転売した時に、現金が手元に残る。)
 そのため、さっさと残債を減らした方が良いのです。そうすれば、早い段階で「価値のある財産」を手にできます。又、転勤がある場合でも、「賃貸に出して」、物件維持費総額(返済額、管理費等、固都税等、補修費用)よりも賃料が高ければ、実質的には「価値のある財産」となります。
 ここで大切なことは、賃料相場よりも高い物件維持費総額にならない様に、物件を選ぶことです。収入と支出のバランスを考えて物件を選ぶことをお勧めします。
 「年齢」が重要だという理由ですが、住宅ローンは、原則60歳までしか借り入れする事ができません。又、住宅ローンは特別な金利(0.975%など)であり、一般的な借金の金利と比べて、大幅に安い金利です。
 そのため、早く完済すれば、もう一度住宅ローンを利用するチャンスがありますが、遅くなればなるほど、そのチャンスは減ります。

4、不動産に「金銭的価値」を求める意識が強い

 ・この様な方は、売買と賃貸を組み合わせる事をお勧めします。
住宅ローンを利用して購入する場合、「住宅ローン減税(*諸条件有り)」で所得税の還付を受けて、ローンの繰り上げ返済などを行い、さっさと完済して「貸し出す」(インカムゲイン)か「転売(キャピタルゲイン)」をお勧めします。

 中古不動産は、一定の相場観が形成されています。又、その時に情勢により、周辺価格によって上下します。
そのため、さっさと完済する事(残債を減らす事)が重要です。

(注)不動産投資とは別の話になりますのでご注意ください。
   もし、不動産投資にご興味があるのであれば、先に、余力のある現金をご用意する事をお勧めします。
   不動産投資は、余力資金の額によって成功・失敗が大きく分かれます。
   (お金をたくさん持っている人が儲かる仕組みです)

5、「賃料」 = 「経費計上」

 ・この様な方は、「賃貸」がお勧めです。住宅ローンの借り入れによる減税は、借入残高の額の1%が上限であり、期間も10年間((諸条件により13年間)*諸条件有り)ですが、「賃貸」の場合は、経費計上の仕方によって変動します。
 賃貸の方が得する方も多くいらっしゃいます。

<総論>

 ・売買を選択する場合は、早い方が、金銭面でも気持ちの面でも、得する事が多いです。
 年齢が若いのであれば、会社員を2年以上続けて住宅ローンを組み、返済額が賃料相場並みの物件を購入して、ローン減税(*諸条件あり)を受けながら貯蓄をして、万が一転勤や引っ越しをしなければならない事情が出た時には、賃貸に出す。という選択も可能です。

 ・賃貸を選択する場合は、ご自身のお仕事や収入形態などを考慮すると、得する場合もあります。
 近年は、個人事業主の方や副業をされている方が増えていますし、今後はもっと一般的になります。税理士の方に相談しながら、可能な範囲で節税をすることも可能です。

この投稿の最後に、

最後まで読んでいただき、ありがとう御座います。

8通りのタイプ分けをするための、最初のステップ「賃貸 or 売買」について書きました。
ご興味のある方は、次のステップ「新築 or 中古」も是非ご一読ください。


読んでいただいた方の、現在の状況や考え方、価値観など、様々な事を考慮して、「賃貸or売買」の最適な住み方・組み合わせを選んでいただければ幸いです。

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